公的年金等を受給されている方の確定申告に関するフローチャートで申告不要となっても、住民税の申告だけをする場合があります。
例えば、事業所得が△50万円、年金収入が250万円(年金所得は130万円)、所得控除が100万円ある方の場合、フローチャートを見ればいちばん右の矢印をたどって所得税の確定申告が不要となります。
ところが、この場合は住民税の申告をすべきことになります。住民税の申告をしないと、年金だけが市区町村へ報告され、年金所得だけがあるものとして、事業所得のマイナスが考慮されずに市県民税、介護保険料が計算されてしまいます。雑所得(年金)130万円から所得控除を差し引いても課税所得が発生し、本来0円のはずの住民税が算出されることになってしまいます。
それだけでなく、介護保険料も高くなります。世帯全員が住民税非課税の場合よりも世帯の一部が住民税非課税の場合の保険料の方が高いからです。つまり、この事例では申告によって世帯全員の住民税額を明らかにしておくべきなのです。
今回の事例は、フローチャートの最下段『公的年金等に係る雑所得以外の所得があるとき(20万円以下の所得であっても市県民税の申告は必要)』にあたります。所得税の確定申告が不要であっても、事業所得や不動産所得のマイナスがある人は、赤字だからといって申告不要とするのではなく、所得税又は住民税の申告をしましょう。判断が難しいときは当事務所までご一報ください。
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